今月のカクテル
春、おすすめスプリングカクテル9選

NEWS!NEWS!NEWS!ニュース

今月のカクテル
春、おすすめスプリングカクテル9選

new #News!News!News!

提供:DRINK PLANET編集部

世界のトップバーが示す、新たな姿

今、世界のトップバーが提案するのは、単なる季節感の演出を超え、「素材の純度」と「農業への深いコミットメント」へシフトしているようです。

例えば、パリのLittle Red Door
彼らは2022年に立ち上げたプロジェクト「Flourish」で確立した農家との直接取引を、今やその関係をさらに深化させて、バーという場所を地域の農業エコシステムの一部として機能させる「サステナビリティのその先」を見据えています。
単に地元産を使うだけでなく、経営の透明性を追求する国際認証 『B Corp』の理念をいち早く取り入れて、地域の生態系を維持・再生させる『リジェネラティブ(再生型)』モデルの構築へと進化しています。

ちなみに、この「B Corp認証」は、アイラ島のBruichladdichやロンドンのSipsmith、バーボンのMaker’s Markなどが取得しています。

また、ロンドンの Connaught Bar のインタビューによれば、彼らはハイドロソル(芳香蒸留水)やコールドブリュー(低温抽出)といった高度な技術を駆使し、素材の本質を一度「解剖」した上で、グラスの中に再構築するアプローチをとっています。
彼らが追求するのは、デコラティブな装飾ではなく、素材が持つ香りのポテンシャルを極限まで引き出した、究極にクリアで純度の高い一杯。それは単なる技術の誇示ではなく、ゲストに「その素材の最も美しい瞬間」を届けるための、プロフェッショナルな誠実さの表れと言えるでしょう。

今月は、こうした世界の潮流を意識しつつ、春の情緒と技術を融合させた3つのアプローチで、今取り入れるべき一杯へのヒントをご紹介します。

左から、Wild Cherry Blossom Cooler ワイルド チェリー ブロッサム クーラー、Sugi to Hachimitsuスギ to 蜂蜜、Salbei セージ

左から、Wild Cherry Blossom Cooler ワイルド チェリー ブロッサム クーラー、Sugi to Hachimitsuスギ to 蜂蜜、Salbei セージ

スプリングカクテル ―― 3つのアプローチ

A|ボタニカルの「芽吹き」と「苦味」を味わう
春の訪れは、山菜や若芽に見られる「爽やかな苦味」にあります。
これをジンやベルモットのボタニカルと共鳴させ、奥行きを作るスタイルです。

■<左>カクテル名 / バーテンダー名: Wild Cherry Blossom Coolerワイルド チェリー ブロッサム クーラー by Nomura Shuhei/野村周平さん
バー名:The Certain Bar / 福岡・北九州市
野生の山桜をイメージし、自家製リキュールでクマリン(桜の葉やシナモン等に含まれる成分)の芳香を最大化した一杯。クラシックの再解釈により「春の野生味」を閉じ込めています。

■<中>カクテル名 / バーテンダー名: Sugi to Hachimitsuスギ to 蜂蜜 by Otake Masahiro/大竹真広さん
バー名: Living Room Asakusa / 東京・浅草
日本のスギが持つウッディな香りと苦味をアクセントに。伝統的な「ビーズニーズ」を、リラックス効果のある日本の森の香りでアップデート。

■<右>カクテル名 / バーテンダー名: Salbei セージ by Sarah Fischer/サラ・フィッシャーさん
バー名:Velvet / ベルリン
セージとグレープフルーツが奏でる、重層的で洗練されたビター感。ハーブのポテンシャルを多角的に引き出す設計が見事。

------ ------ ------

これらの独創的なアプローチをヒントに、日々の活動で取り入れやすい「春のスタンダード」を再定義するなら、以下のような構成も考えられます。

Spring Negroni(スプリング・ネグローニ)
桜葉をコールドブリューしたジンをベースに、少量のソルト・ソリューション(20%塩水)をプラス。
桜餅のようなクマリンの香りとカンパリの苦味を塩味が鮮明に繋ぎ、春の訪れを告げる一杯に。
(桜葉インフューズド・ジン 30ml / カンパリ 25ml / スイートベルモット 25ml / 塩水 1dash)

Green Field Fizz(グリーン・フィールド・フィズ)
バジルやディルを贅沢に用いた自家製シロップで、グラスの中に「芽吹きの草原」を再現。
ジェネヴァのような穀物感のあるベースと合わせることで、ハーブのクロロフィル(葉緑素)の鮮烈さがより引き立ちます。
(ジェネヴァ 45ml / フレッシュハーブシロップ 20ml / レモンジュース 20ml / ソーダ 適量)

左から、Grace Dew グレイス デュー、N/A Aviation N/A アヴィエーション、Coa De Jima コア・デ・ヒマ

左から、Grace Dew グレイス デュー、N/A Aviation N/A アヴィエーション、Coa De Jima コア・デ・ヒマ

B|「発酵」と「酸」で描く軽やかなテクスチャー
春の気候に合わせ、酸味の設計を一段階「明るく」シフトします。
柑橘の酸だけでなく、乳酸やシュラブを用いることで生まれる、繊細で奥行きのある「酸の表情」が鍵となります。

■<左>カクテル名 / バーテンダー名: Grace Dew グレイス デュー by Kato Shingo/加藤晋悟さん / 当時THE SAILING BAR(奈良県桜井市)(現在 Zentis Osaka UPSTAIRZ / 大阪
大会名:Bombay Sapphire Premier Cru Cocktail Competition
シュラブを巧みに操り、豊かな果実味と爽快なキレを両立させた一杯。春の陽光のような明るい活力を与えてくれます。

■<中>カクテル名 / バーテンダー名: N/A Aviation N/A アヴィエーションby Goto Keisuke/後藤啓輔さん
バー名: Bar K-9 / 名古屋市
名作をヨーグルトウォッシュで「カラーレス」に再定義。ホエイ蒸留のジンや自家製シロップが織りなす、シルキーで心地いい余韻が魅力。

■<右>カクテル名 / バーテンダー名: Coa De Jima コア・デ・ヒマby Eavesdrop Bar Team/イーヴスドロップ・バー・チーム
バー名: Eavesdrop / ニューヨーク
カシューヨーグルトのコクでテキーラとメロンの甘味を引き立てたNYの人気店の一杯。ヴィーガン対応も視野に入れた、現代的な酸の組み立て方です。

----- ------ ------

これらの「酸」の表現をよりシンプルに、かつ汎用性高く提案するなら、次のような構成がヒントになるでしょう。

Rhubarb & Berry Shrub Highball
旬のルバーブと苺をアップルサイダービネガーでシュラブ化。アイリッシュウイスキーのコクに鋭い酸をぶつけることで、重層的なハイボールに。
(ウイスキー 40ml / 自家製ルバーブ&ベリーシュラブ 20ml / ソーダ 90ml)

Clear Spring Milk Punch
苺とブランデーをベースに、ミルク・ウォッシング(清澄化)を施した一杯。見た目はクリスタルクリアでありながら、口に含むと苺の華やかさとホエイ(乳清)由来の柔らかな質感が広がります。
(ブランデー 45ml / ストロベリーピューレ 30ml / レモン 15ml / 牛乳 30mlでクラリファイド)

左から、Kagiroi かぎろひ、Japanese Tachibana 和のボタニカルカクテル、Imoroni 芋ろうに

左から、Kagiroi かぎろひ、Japanese Tachibana 和のボタニカルカクテル、Imoroni 芋ろうに

C|日本の情緒を「香のレイヤード」で表現する
素材名に頼らず、香りの構成によって「春の情景」を浮かび上がらせる、日本的な感性とプロフェッショナルの技術が融合したスタイルです。

■<左>カクテル名 / バーテンダー名: Kagiroi かぎろひ by Tatsushi Tanaka/田中達さん
バー名: Bar Savant / 奈良市
夜明け前の静謐な情景を香りで表現。シェイクによる一体感のその先にある、お茶の残り香をレイヤーとして使う技法が光ります。

■<中>カクテル名 / バーテンダー名: Japanese Tachibana 和のボタニカルカクテル by Kayama Hiroyasu/鹿山博康さん
バー名:Bar Ben Fiddich / 東京・西新宿
橘の花や葉、黒文字、ヒノキなどを煮出した自家製ソーダを使用。日本古来のボタニカルが作り出す香りの小宇宙を感じさせる一杯です。

■<右>カクテル名 / バーテンダー名: Imoroni 芋ろうにby Atsushi Suzuki/鈴木敦さん
バー名:The Bellwood / 東京・渋谷
桜ベルモットやリレ・ブランを使い、複雑ながらも驚くほど軽やかに。春の暖かな空気感を見事に捉えています。

----- ------ ------

こうした「香りの重なり」を、よりミニマルな構成でゲストの記憶に残すためのアプローチとして、以下の2つもヒントになりそうです。

Early Spring Martini
煎茶を低温抽出したウォッカをベースに、日向夏のピールオイルを。冬から春への移ろいを、透明感ある苦味と柑橘の芳香で描きます。
(煎茶ウォッカ 45ml / ドライベルモット 15ml / 日向夏ピール)

Jasmine Gold
ジャスミンティーを煮詰めたリダクションに、白ワインの繊細な酸とオールド・トム・ジンの柔らかな甘味を調和させます。グラスの中で華やかな香りの層(レイヤー)が解けていくような、エレガントなカクテルへの昇華です。
(オールド・トム・ジン 30ml / 白ワイン 20ml / ジャスミンティー・リダクション 10ml)

<会員特典>カクテル検索

本記事をヒントに、気になるカクテルを検索してみてください!

2,000を超えるレシピの中から検索するには・・・
-------------カクテル検索--------------
2つの方法があります。
1)トップ画面の中ほどのCCKTAIL SEARCH から目的を選択
  「ベースアルコール」「素材」「バーテンダー」からの検索が可能
2)また、ログインしてから、ページ上の検索窓にキーワードを記入
  カクテル名、素材、解説内でヒットしたものが表示されます
----------------------------------------
どりぷら会員特典をぜひ活用してください!

どりぷらメルマガ(無料)に登録しませんか?

プロフェッショナルやバー愛好家が求めるお酒・カクテルに関するトレンドやイベント情報などをお届けします。

無料メルマガ登録

<<前の記事へ | 次の記事へ>>

NEWS 一覧へ

SPECIAL FEATURE特別取材